貸金業法の総量規制ってなに?

貸金業者を利用しようとすると、「総量規制」という言葉をよく目にすると思います。総量規制とは、簡単にいうと、個人利用者が過剰な借り入れをしないよう設けられた規制です。

総量規制には、上限金額の制限以外にも様々なルールがあります。ここでは総量規制について、深く迫りたいと思います。

総量規制とは?

貸金業者を規制する法律が「貸金業法」であり、総量規制は貸金業法に組み込まれた規制の一つです。貸金業法の対象は消費者金融やクレジットカード会社などで、銀行は対象外となります。

つまり、総量規制は消費者金融やカード会社からの借り入れが対象で、銀行からの借り入れは対象外です。

総量規制は、個人利用者が返済能力以上に借入することを防ぐために定められました。貸金業者が過剰な貸付を行えば、業務停止などの行政処分が下るケースもあります。以下では、総量規制ついて、より深く掘り下げて見ていきたいと思います。

1.総量規制の目的ってなに?

「お金なんて、返済できるならいくら借りてもいいじゃん!」と考える方は多いかもしれませんが、それは違います。借入した時点では返済の見込みが立っていても、人生ではいつ何が起こるかわかりません。

例えば、あなたが突然大きな事故などに巻き込まれ、失業してしまったとします。しかし、収入がなくなったとしても、借金を踏み倒す訳にはいきません。

そこであなたは、借金を返すためにまた借金をすることに――こんなことを繰り返していたら、いつか生活は破綻してしまいますよね。

返済能力を超えた金額を借りた結果、借金苦で自殺にまで追い込まれてしまった方も少なくありません。「総量規制」とは、このような事態を未然に防ぐために導入された規制なのです。

2.総量規制にはどういうルールがあるの?

――1.年収の3分の1以上の金額を借りられない

個人利用者は、年収の3分の1を超える金額を借入することはできません。例えば年収が300万円の場合だと、100万円以上の融資を受けることはできないのです。

総量規制の「総量」とは、貸付の総合金額を意味しています。つまり、「A社で上限まで借りきっちゃったから、B社に変えてまたお金を借りる」といった手は使えません。先の年収300万円の例でいえば、A社で100万円借りた場合、B社では一銭も借りることはできないのです。

――2.借入金額によっては収入証明書の提出が必要

一定以上の金額を借入する際は、収入証明書を提出する必要があります。具体的には、単一の貸金業者からの借入総額が50万円を超えた時です。

また、複数の貸金業者から借入した総額が100万円超の場合も、収入証明書の提出を求められます。例えば、A社やB社で70万円を既に借入していたら、C社では50万円以下の借入申込であっても収入証明書を提出しなければなりません。
福岡中央銀行

――3.本人に収入がないと借入できない

総量規制には、「本人の収入がないと借入することができない」というルールがあります。そのため基本的には、専業主婦の方が融資を受けることはできません。

しかし、例外として「配偶者貸付」があります。配偶者との婚姻関係を証明できる書類と、配偶者の同意書を提出すれば、専業主婦でも借入が可能になります。ただし、この場合でも借入できる総額は「年収の3分の1」までに制限されています。

貸金業法の総量規制ってなに? まとめ

・総量規制は、貸金業者による過剰な貸付を抑制するためのルール
・個人利用者が返済能力以上のお金を借りることを防ぐ役割を持つ
・年収の3分の1以上の金額を借りられない
・借入金額によっては収入証明書の提出が必要
・本人に安定した収入がないと借入できない

任意整理とは

任意整理とは、借金などの債務を法律的な手続きを通さずに処理する方法です。債務を自己破産や民事再生のように裁判所を介して整理するのではなく、当事者である債権者と債務者が話し合って処理することから私的整理と呼ばれることもあります。

公的機関によらず債務を整理すると意味では示談に似た借金の整理方法といえるでしょう。

私的な借金の処理方法である任意整理には、特に決まった形というものはありません。債務者(お金を借りた側)と債権者(お金を貸した側)の話し合いのなかで、お互いに合意した方法で債務(借金)を返済していくというのが任意整理です。

任意整理のポイント

任意整理には次の3つのポイントがあります。

(1) 新たな返済計画を決定

借入金の返済が困難になった場合、任意整理を選ぶと債権者との話し合いで新たな返済計画を立てることができます。新たな返済計画では債務者が無理のない形で借金を返していけるように、毎月の返済額を減らしたり利息の見直しを行なうなどの方策を取ります。 一定の収入があって借金返済の意志がある債務者に対し、よりスムーズに返済していける計画を考えていくという方法です。

(2) 専門家に依頼が可能

任意整理では債権者との交渉を弁護士や司法書士などの専門家に依頼することができます。債務者本人が貸金業者と直接交渉するのではなく、法律や実務に強い専門家に任せることができるので効率的に話合いを進めることができるというメリットもあります。 また専門家に依頼することで債権者からの督促がストップするので、債務者のさまざまな負担を軽減することが可能になるのです。

(3) 周囲に知られずに整理

法的に債務整理を行なうと裁判所を通すことになるため、債務者の情報が官報に掲載(公告)されてしまいます。官報は一般の人でも目にすることができるので、勤務先の上司や同僚、親戚や知人、住まいの近隣の人々に知られる可能性があります。 しかし任意整理なら官報に載ることはないので、周囲の人に知られずに借金整理を行なうことができるのです。

任意整理の条件

任意整理は誰でも無条件で利用できるというわけではありません。細かい条件が設けられているわけではないものの、少なくとも次の条件をクリアしている必要があります。

・現在の借金が3年から5年以内に返済できる可能性があること
・債務者が仕事を持っていて継続的な安定収入が見込めること
・債務者本人が今後も借金を返済していく意思を持っていること

上記の条件を満たしていれば借金の任意整理ができ、これまでよりも返済が楽になることは確かです。というのは任意返済の交渉では「いかにして借金を完済するか」という話合いを行ない、債務者が毎月支払い可能な返済額を設定するという方法が取られるからです。

任意整理のメリット

借金の任意整理には次のようなメリットがあります。

借金を減額できる可能性がある

任意整理で借入金の利息を見直すと借金が減額できる場合があります。 借入金の取引開始時までさかのぼって利息の見直しを行ない、利息制限法の上限金利を超えた支払いをしていた場合は過去に過払いしていた部分を元本に充当できるので、借金の総額を減らせる可能性があるというわけです。

借金の将来利息が免除される

任意整理では借金の残高を利息制限法で定められている金利で再計算を行ないます。この計算に基づいて債務額が確定されるため、債権者との話合いが締結した日以降の将来利息が上乗せされることはありません。

借金の遅延損害金が免除される

借入金の返済が遅れると発生するのが遅延損害金です。任意整理では債権者との話合いにより遅延損害金がカットされるケースが多いため、交渉次第では免除してもらえる可能性が高くなるでしょう。

任意整理を行なうには?

任意整理をするのに特別な手続きは必要ありません。まず、任意整理の経験や実績のある弁護士か司法書士などの専門家を選び、借金の現状について相談を行なってください。

相手方の説明を聞いて納得できたら任意整理を依頼しましょう。その際、任意整理の詳しいスケジュールや用意すべき書類、手続き費用などについても説明があるはずですので、内容をしっかり把握したうえで準備を進めるようにします。

正式依頼後は専門家が債権者に受任通知を発送し、その時点で借金の督促(取り立て)がストップします。

専門家は取引履歴を基に利息制限法による引き直し計算(再計算)や債権者との交渉を行なって債務者と相談のうえ和解契約を締結します。和解契約締結後は、返済計画にしたがって完済を目指して返済をスタートしてください。

任意整理の注意点

任意整理にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。1つめのデメリットは任意整理を行なうと信用情報機関のブラックリスト入りしてしまうという点です。 ブラックリスト入りすると任意整理後の5年間程度は新たな借入れやローン契約を行なうことができません。2つめは任意整理は自己破産や個人再生とは異なり、借金がゼロになるわけではないという点です。任意整理はあくまで新たな借金の返済計画を立てるというものだということを理解しておきましょう。

ページの先頭へ